第11回 12誘導心電図伝送を考える会 会長挨拶・協賛企業

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会長挨拶

第11 回 12 誘導心電図伝送を考える会の開催にあたって

花田 裕之 はなだ ひろゆき

第11 回 12 誘導心電図伝送を考える会 会長

弘前大学大学院医学研究科 救急災害・綜合診療医学講座

弘前大学医学部附属病院 高度救命救急センター 教授

今回 石倉先生と共同で大会長をさせていただく弘前大学花田裕之です。
三重での開催ということもあり、現場のこと、内容の詳細などほとんど石倉先生が担当していただきました。感謝しております。
12誘導心電図伝送研究会も11回目を迎えました。
開始したころは、いかに12誘導心電図の伝送を各地域に広げていくか が最も大きな課題だったと思います。最近は通信機器の発達や、消防での救急車更新に伴う機器更新により、心電図伝送は当たり前の仕組みになってきました。今後はこれをどう生かして患者様の予後改善を図っていくのかが我々に求められているように思います。
消防機関の方々、機器担当の企業の方々、医療関係者が一堂に会して行う本研究会が今後の患者予後改善に役立てればと思います。
本年は1月1日から地震を経験し、現在も現地で多くの方々が活動しておられます。災害の犠牲になった方々のご冥福を祈るとともに、現地で活動されている我々の仲間が怪我無く、現地の皆様の役に立てる活動ができることも祈って、挨拶とさせていただきます。

第11 回 12 誘導心電図伝送を考える会の開催にあたって

石倉 健 いしくら けん

第11 回 12 誘導心電図伝送を考える会 会長

三重大学医学部附属病院

救命救急・総合集中治療センター 副センター長 講師

このたび、第11 回12 誘導心電図伝送を考える会を2024年1月20 日(土)に、三重県で花田裕之会長と共に開催いたします。
救急車の中で12 誘導心電図を記録しそれを伝送するということは、急性心筋梗塞の予後改善のためにガイドラインで提示されていますが、このシステムが効果を発揮するためには装置だけでなく、各方面の関係者の連携をどのようにするかにかかっています。私自身の関わりは、現場の熱意ある救急救命士たちの協力を得て心電図伝送使用の活動を開始したことから始まりました。2006年に初めて試験的にFAX を用いた心電図伝送を施行し著効例を経験したことから、津市消防本部として救急車更新に合わせて順次システムを導入していただきました。循環器専門医や救急救命士との意見交換を繰り返しながら、2009年には津久居地域メディカルコントロールとして救急隊用の心疾患プロトコルを運用開始、2012年三重県循環器事業の補助を得て救急車全車にシステム搭載、2013年から津市循環器輪番制開始となり、基盤が確立していきました。2014年には津市の事業として全車のシステム更新がされ安定した運用ができるようになりました。効果的な活用を行うには、医療関係者の協力だけでなく現場での救急隊の質の高い活動が不可欠で、地域メディカルコントロール体制の質が問われます。おかげさまで、劇的な救命例を多数経験することができています。これからは、限られた医療資源の有効活用やワークライフバランスの改善をしながら「劇的」と言っていたことを「当たり前」にして、さらに高い領域を目指していくことが期待されます。
本研究会では実際の問題点や様々な解決策などを具体的に議論しており、みなさまにとって多くの気づきがあればと思います。現地とオンラインのハイブリッド開催ですが、ぜひ三重の地で活発な意見交換ができることを期待しています。みなさまのお越しをお待ちしております。

協賛企業

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